イギリスと日本 UK and Japan 2005 5 29

 日本の未来は、イギリスなのか。
昔の日本は、たとえ平凡でも、努力していれば、必ず報われる社会でした。
そういうわけで、全員が中流階級とも言われました。
 しかし、今の日本は、才能や財産がないと、
あるいは親が有力者でないと、成功しない社会になりつつあります。
これは、階級社会の兆候と言えます。
 こうした社会の分岐点と言える大事な時期なのに、
多くの人は、娯楽、ファッション、グルメに夢中となっている現状があります。
あまりにも低い投票率が、それを象徴しています。
 「イギリス節約生活」(アリスン・デバイン著 光文社)という本には、
イギリスの階級社会のことが紹介されています。

「いまも残る階級制度」(イギリス節約生活 34ページから)
(1)上流階級 upper class (人口の2〜3パーセント)
 上流階級は王室、貴族とジェントリgentryで構成されている。
ジェントリというのは、一般的に爵位を持たない土地所有者のこと。
これらの人々は、城や大邸宅に住み、ほとんど働かずに、
土地からの収入などで裕福な生活を送っている。
つまり、これらの人たちにとって、人生のすべての時間は、ヒマつぶしである。
働く必要がないので、国会議員や知事、判事などになる人も多い。

(2)中流階級 middle class (人口の約15〜20パーセント)
 産業革命によって台頭したブルジョアジーと専門職の人々が、このクラス。
ブルジョアジーとは、産業資本家や銀行家のことで、
専門職とは、弁護士、医師、会計士などで、労働者ではあるが、
肉体労働によるものではないということで、
労働者階級とは区別し、一般的にWhite Collar Workersと呼ばれる。
しかし、長らく続いた「イギリス病」と「サッチャー改革」で、
多くの中流階級が没落した。

(3)労働者階級 working class (残りのすべての人々)
 毎日の労働によって、生活の糧を得ている階層。
この人々は、働かずには食べていけないし、
何をするにも懐具合を気にしなければならないので、
節約の精神が染みついている。
現代のイギリス人のほとんどが、この層だから、
イギリスは節約大国と言える。

著者の言葉を紹介します。
「イギリスのワーキングクラスの人々は、
過去をふり返るときに、よく、こういう言葉を口にします。」
「私たちは貧乏だけど、幸せでした」










































トップページへ戻る

News Idea Factory へ戻る

過去の記事 あ〜こ へ戻る